妊娠中のお母さんの脳の変化とは?
妊娠中に起こる身体の変化は見てわかりますね。しかし、お母さんの脳もまた、この時期に大きな変化を経験しているということに誰もが気づいているわけではありません。
それはいったいどういうことなのでしょう?今回の記事で、妊娠中にあなたの脳がどのように変わっているのかについて詳しく見ていきましょう。
体重増加、吐き気、腰の痛みなどなど…厄介なホルモンの変化によって気分が上がったり下がったりします。このようなことが妊婦さんに起こることはよく知られていますが、この他にもまだまだあります。
しかし、全ての変化がネガティブなものではありません。実際、これらの変化はあなたが赤ちゃんのケアをするのを助けてくれるのです。赤ちゃんが生まれる前から、母性本能が働き始めます。
妊娠中のお母さんの脳の変化
基本的に、妊娠中にお母さんの脳の中の灰白質が小さくなるということが、科学によって証明されています。
灰白質は脳全体、脳幹、脊髄にあり、情報を処理する役割を果たしています。実際、脳にある灰白質の量が、一般的に私たちの知性とリンクしているのです。
驚くべきことに、脳の中の共感に関する分野において、最も顕著に灰白質が縮小します。胎児がおなかの中で成長している感覚を理解する必要のある時に、この部位のニューロンを失うことは矛盾しているように思えますね。
実際、脳の中の共感に関する部分のニューロンのつながりを減らすことで、脳がこのタスクについてずっと効率的にすることができるのだということが、研究によって明らかになっています。
つまり、灰白質を失うことは、必ずしもスキルを失うことではないのです。
脳への重大な影響は他にもあり、それは私たちの環境をどう認識するかに関係があります。妊婦さんは危険が迫っているときに、それを感知する能力がずっと高くなります。
この効果は出産後最長2年間続きます。これについては母性本能に明確な科学的説明ができ、おかげで危機を切り抜けられることがとてもよくあるのです。
副作用
お母さんの脳は、その本能を高めるために合理的思考をある程度犠牲にするので、妊娠中に高まる能力がある一方で、弱まるものもあります。
妊娠中にお母さんの脳がどのように変わるかの例を少しだけ挙げました。
- 記憶:多くの妊婦さんが、以前はそうではなかったにも関わらず、妊娠中物忘れが激しくなったと言います。脳の中の灰白質の変化がその原因かもしれません。
- ストレス:妊娠中の女性はストレスを感じにくくなります。それはオキシトシンによるところが大きいのですが、そのために新しくお母さんになった人は普通の状態よりも、カオスや眠れない夜の苦しみを乗り越えやすくなるのです。
- 社会的スキル:お母さんは人の心が読めるのではないかと思ったことはありませんか? これは、妊婦さんの脳は非言語のサインを解釈する準備をしているからというのが大きな理由です。これは納得できます。なぜなら、赤ちゃんは話せないので、子どもが幼い頃はこのスキルが重要になるのです。これはその他の分野においても使える能力ですね。
- 勇気:出産の前後、出産自体と、自分と自分の赤ちゃんの命に対するいかなるリスクを乗り越えるために、女性は少しだけ強くなります。
お父さんにちついては?
子どもがいたり、赤ちゃんが生まれる予定の人もいる、20人の女性と男性を分析した研究があります。
MRIを使用により、お母さんの灰白質の変化は検知されましたが、お父さんについては変化がありませんでした。
しかし、この研究では子どものお世話を主に行っている男性についての調査を行っていませんでした。
お父さんが小さい子どものお世話を主に行っている場合、脳の中で特定の能力を強化する変化が起こるとしている理論も存在します。
特に、この変化はオキシトシンの生成と関係があります。このホルモンは授乳に大きな役割を果たしていますが、男性も生成することができます。
オキシトシンは赤ちゃんのニーズと感情をよりよく理解するのに役立ちます。
このような変化はなぜ起こるのか?
妊娠中に起こるその他の変化と同じように、脳の変化の仕方も私たちのホルモンと密接なかかわりがあります。妊婦さんの体のホルモンが劇的に変わることで、脳にも影響があるのです。
これは良い適応であるということも覚えておいてくださいね。妊娠中の脳への目に見える影響は、お母さんと子どもの特別な絆の、科学的な証明なのですから。
自分の子どもを守るための母性本能は、脳自体の中にも明らかなのです。
ですので、子どもに関することで「魔法のような」力を発揮しているお母さんを見ることがあったら、そのスキルがどこから来ているか、あなたはもうお分かりですね。
それは全て脳の中にあります。それは、人間のすべてのステージにおいて適応する素晴らしいツールです。