子どものしょうこう熱:症状と治療について
子どもを持つ親にとって、子どもの健康はいつも心配なものですが、猩紅熱(しょうこうねつ)も子どもによくある疾患の一つです。子どもの病気の防止と、いざしょうこう熱にかかった時にすばやく処置できるようにするために、情報を頭に入れておきましょう。
しょうこう熱とは?
しょうこう熱は、A群レンサ球菌によって起こる溶連菌感染です。この溶連菌の産生により毒素を出し感染が起こります。
A群レンサ球菌のすべてが毒素を産み出さないこと、さらに誰にでも感染する訳ではないという点も重要です。
しょうこう熱は、4歳から8歳の子どもがかかりやすく、2歳以下の幼児には滅多に見られないものです。
しょうこう熱の原因
溶連菌は粘膜を通して感染することが多く、大抵の場合、感染した少量の唾液を介して伝染するので、咳やくしゃみなどで、その周りに広がっていきます。
決して頻繁ではないものの、しょうこう熱にかかる他の原因となる感染ルートとしてあげられるのは、しっかり洗浄されなかった食べ物やおもちゃが子どもの口へ入ることで感染します。稀にあるのは、感染した膿を通してうつることもあります。
しょうこう熱の潜伏期間は1~3日程です。感染してから、最初の症状が見られるまでの期間を潜伏期間といいます。この潜伏期間に子どもから他の人へと広まる可能性があるのです。
しょうこう熱が伝染しやすいのは学校です。特に冬の間は伝染しやすい時期です。
子どもに見られるしょうこう熱の症状
この感染症は2段階の症状があります。ただし気を付けたいのは、症状がとても似ている扁桃炎と間違われる場合もあるので、注意しましょう。
まず最初に見られる症状は、突然始まる高熱です。そして熱と共に、のどが痛くなり、頭痛がすることがあります。
場合によっては吐き気を感じたり、腹痛や疲労が見られます。
しょうこう熱の次の段階では、皮膚の発疹が現れます。これがしょうこう熱の名前の由来でもある、特徴的な紅色の発疹です。
最初は赤みのある発疹が子どもの顔や首に見られます。それから頭から下の方向へと全身に広がります。
しょうこう熱の発疹は、日焼けのように見えるかもしれません。皮膚を指で押すと、赤い色が消えます。その後、皮膚はまた赤くなり小さな突起が見られます。
その他のしょうこう熱の特徴として、ひじ、ひざの後ろ側、脇の下にも発疹が見られることです。皮膚が重なる部分は特にひどくなる傾向があります。
一般的に鼻と口の間にはそれ程発疹が出ません。皮膚の発疹と共に、舌も濃い赤色になる場合もあり、リンパ腺が腫れて喉が痛くなることもあります。
発疹が現れて5日目位には、症状が治まってくるでしょう。その後発疹が出た辺りの皮膚が、日焼けした時のようにむけてきます。大体8週間程で皮膚がもとの正常な状態に戻ります。
しょうこう熱の診断と治療
外見に見られる症状以外に、喉の粘液を検査することで、他の病気ではなく、しょうこう熱だと確実に診断することができます。これは検査室で粘液を分析して、すぐに溶連菌の存在が確認できるからです。
しょうこう熱の患者、またはその可能性のある人から、子ども隔離して細菌が伝染しないように気を付けましょう。
幼児の疾患は、ペニシリンやアモキシシリンなどの抗生物質の内服で治療します。抗生物質はおよそ6日間の服用となりますが、かかりつけのお医者さんに相談して決めてください。
子どものしょうこう熱は、大抵それ程深刻な疾患ではなく、最近ではあまり発症が見られなくなりました。きちんと治療すれば、しょうこう熱は回復に向かうはずなので、両親も心配せずに安心してください。
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