集中しているときに子供たちが舌を出す理由

集中しているときに子供たちが舌を出す理由
María Alejandra Castro Arbeláez

によって書かれ、確認されています。 心理学者 María Alejandra Castro Arbeláez.

最後の更新: 13 8月, 2018

何かに集中しているときに、舌を出す子供たちは少なくありません。舌を出す行為は、意識せずにしていることがほとんどで、よく見られるジェスチャーです。皆さんも見たことがあると思いますが、一体どうして舌を出すのでしょうか?

専門家によると、5歳から9歳までの子供に舌を出す傾向があるようです。集中しているときに舌を出す事は、精神上または健康上何の問題もありません。どうやらそれは言語と運動スキルによって形成された反射のようです。

私たち大人が、手を動かしたり顔の表情を変えてジェスチャーを交えながら話すのと似たような仕組みです。子供は手や顔のジェスチャーの代わりに舌を出すのです。

子供が舌を出しているときは、何かに非常に集中しているサインで、子供が今行ってるアクティビティに焦点を当て、周囲に気が散ることがなく集中しているのは喜ばしいものです。他の子供の遊んでいる声、音楽、人の話し声など様々な雑音が聞こえるかもしれませんが、子供の集中力はそんなものには邪魔されないほど強いのです。

集中しているときに舌を出す理由

舌を出す少年

どうして子供たちは集中しているときに舌を出すのでしょうか。

科学者はこの振る舞いに興味を持ち研究を始めました。先に述べたように、この行動は言語と運動スキルに深い関係があるそうです。研究の結果から、ただ単に舌を突き出してるわけではなく、そこには観察可能なパターンが存在すことが実証されました。

この研究を実行するにあたって、異なる課題を行っている14人の子供たちを観察し、記録をとりました。実験対象になったのは全員5歳で右利きの子供たちでした。

実験のために特別に用意された課題を行い、達成した時の子供の様子が観察された結果、それぞれの課題によって異なるレベルの運動スキルが測定することができました。

舌を出す反射作用は運動スキルを必要とするときに現れることが発見されましたが、当初予想していたのとは違ったデータが測定されたのです。そして、複雑でより精密さを求められる課題を行っている時より、比較的単純で体を動かす課題の時に舌をだす傾向が見られたのです。

また、精密さを求められる課題と比較的単純な課題の反射作用の違いも研究されました。研究者たちは、舌を出す行為がどれくらいの頻度で現れ、どれくらいの時間続けられるのかを測定したそうです。

その結果、先にも述べたように簡単な課題を行っているときの方が、より複雑な課題を行っている時より頻繁に舌を出すことがわかりました。より高度で精密な運動スキルを必要とした課題の時は舌を出すことが少なかったのです。

研究者はこの結果はコミニケーションに関係していると説明しています。なぜなら、子供たちはほとんどの場合、右側に舌をだしたからです。これは、左脳半球によるコントロールを意味しています。左脳には、右利きの人にとって、ことばの理解や表現、コミュニケーションをつかさどる大部分の言語野(言語中枢)が存在しているからです。

実験からわかること

子供たちが集中しているときに舌を出す癖があるのは誰もが知っていますが、わたしたちはもう少し詳しく観察する必要があります。それはとても優しい柔らかい仕草であるだけでなく、とても興味深いジェスチャーなのです。

 あなたのお子さんを観察してみてください。どんなことをしているときに舌を出す傾向があり、どれほど集中しているかを見てみてください。

舌を出す少女

先で述べたように、この反射作用は言語と関係があるようです。私たちはこの行動を通してがどのように作用しているのかを理解できるかもしれません。また、子供たちが何を達成できるかのサインとなります。子供たちに秘められた能力は想像以上に高いものです。舌を出すという行為は、非常に単純な行動ですが更に研究を重ねるべき一連の神経学的行動だと考えられています。

なぜこの行為が大人には見られないのか不思議に思うかもしれません。研究によると、私たち大人も同じように何かに集中すると舌を出そうとする作用が働くそうです。しかし、文化的理由で大人はそれをやめてしまいます。

大人になると舌を出してる姿を他人に見られたくないという気持ちが働きます。しかし、つい無意識のうちに舌が出てしまうこともあるでしょう。なぜなら舌を出す行為は原始的な反応で、これを完全に取り除くことは不可能だからです。ですから、大人にもいつ現れてもおかしくない反応だということを覚えておいてください。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。