【メンタライゼーション】心の状態を意識する力の特徴とメリット

子どもの社会性を伸ばすには、意識することが重要なキーポイントとなります。それを踏まえて、メンタライゼーションの特徴とメリットについてご紹介します。

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Ana Couñago.

最後の更新： 27 12月, 2022

これまでに人がどのように他者の心を「読める」のか不思議に思ったことはありませんか？ それはメンタライゼーションとして知られる能力で、対人および個人内の知性の発達と関係あります。メンタライゼーションの特徴とメリットについて知りたいと思いませんか。その目的は何でしょう。どのようにそれを習得できるのでしょうか。この記事で説明する情報に注目して、これらの質問の答えを見ていきましょう。

話を進めていく前に、赤ちゃんは生まれた時にこのメンタル能力を持ち合わせていないことを知っておいてください。むしろこれは、子ども達が他の人と関わりながら、徐々に経験と人間関係を通して発達していく能力です。

メンタライゼーションとは何？

メンタライゼーションは、反映機能としても知られる精神能力です。自身と他の人のふるまいや行動を知覚して解釈するために、その能力を使って自分や他者のメンタル状態を想像したり理解したりすることができます。つまり自分と他者の行動を説明するのに、ある一定の思考、感情、欲求、信念、願望や動機などの原因を説明することが含まれます。

そこで、この複雑な認知能力は、満足のいく社会的および感情的人間関係を築いていくための基本なのです。これは相互に助け合い、話し合い、共感し、自己主張でき、そして積極的に話を聞くことに基いた人間関係です。

メンタライゼーションのメリット

心理学者および精神分析医のアンジェリーナ・グラエル・アマットとグスターボ・ランザ・カステリによると、メンタライゼーションの最適なメリットとして次の項目が挙げられます。

• 自分と他者の行動を、より良く理解して推測することができるようになる。
• 自己統制された行動を取るようになり、ある一定の態度がどのように他者に影響を与えるかを予想することができる。
• 感情的な自己コントロールを促す。これによって、その状況に合った自分の願望、思考、感情を認識して表現するのに役立つ。
• 親子の間で安定した愛着関係を持つようになる。
• 対人間でのコミュニケーションが上達する。それはスムーズな会話を保つのために、会話相手の精神状態を考慮しなければいけないという理由による。
• 自分自身の考え方というのは単なる心の表象であって、現実とは違うまたは別のものであることを理解できるようになる。

幼少期におけるメンタライゼーションの発達

精神分析医のピーター・フォナギーは、メンタライゼーションの定義者の一人です。彼は、生後６か月頃にかなり初期段階の認知能力が確認されると説明しています。そして少しずつ子ども達はその能力を完成させていき、徐々にもっと複雑な機能へと変化していきます。

子ども達が３歳になると、ある種の共感という反応を示し始めます。それから幼年期を通して、他の人の基本的な感情を認識する能力を身につけるようになります。それと同時に、これらは自分が感じているものとは別だということを理解し始めます。

しかし４歳から５歳位にならないと、自分と他者の心の状態を帰属させて表現できるようにはなりません。そこで専門家は、それを表象の段階に入る時期と見ています。

この能力発達における親の役割

最後に、正常なメンタライゼーションの発達には、両親や主要な保護者の役割がとても重要であることをお伝えします。言い換えると、子ども達が小さい頃から感情知性を強化することが私達の責任であるということです。その方法とは？ とても簡単なのです。子ども達が生まれてからずっと、共感を持って行動し、子ども達のニーズや欲求に対して理解を示し対応してあげればいいのです。

そして大きくなったら、子ども達の考え方や気持ちについて話すことが重要です。感情の名前を教えて、それを分類していきます。そうすることで、子ども達は自分自身の感情を熟考する方法を学びます。その後で自然に他の人達の心の状態を認識して解釈できる力を習得するようになるでしょう。

したがって、家庭での教育と子ども達との関わりが、適切なメンタライゼーションの発達のキーポイントとなります。