【クロスト・ラテラリティ】利きの発達に左右差がある場合

利き手と利き目などが一致しない一部の子どもに、それが発達過程や能力に影響を与えることがあります。そこで、できれば早く対応することで子どもの将来のために備えるようにしましょう。
【クロスト・ラテラリティ】利きの発達に左右差がある場合
Mara Amor López

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Mara Amor López.

最後の更新: 27 12月, 2022

ほとんどの人は身体の左右のうち片側を好み、また優先的に片方を使うものです。これがラテラリティと呼ばれ、一般的に言う利き手や利き目のことです。クロスト・ラテラリティは、優位性が片側だけではなく、左右差が均一でない現象を指します。

身体のどちら側が優勢になるかというのは、遺伝や育つ環境などの要素によって影響されます。ラテラリティに関しても、子ども達がまだ左右の違いを意識していない生後数年の間に、少しずつ確立していくものです。

ラテラリティの種類

ラテラリティを分類すると、次のようになります。

ペンを持つ子供 ラテラリティ
  • クロスト・ラテラリティ。これは利き手、利き足、利き目、利き耳の左右差に違いがあり、優位左右に分化が見られる特徴があります。例えば右利きの人の左目が利き目であることです。読み書きに問題がある、または注意欠陥多動性障害の子どもにクロスト・ラテラリティが見られる場合、読み書きで苦労する可能性もあります。
  • 両利き。これは右側と左側の両方を同じ作業に使うことができ、どちらでも使える場合です。

利き手などのラテラリティに関しては子どもに強制しないようにしましょう。子ども達が自分でそれを見つけていくようにしてください。例えば、お子さんにとって優性でない方を使うよう無理強いすると、身体の神経系で混乱をもたらす可能性があります。

学校での能力とクロスト・ラテラリティ

学習障害のある子ども達の中で、ラテラリティがしっかりと定着していない状況が見られます。実際にディスレクシアという読み書きの障害を持つ子どもにもそれが現れます。小学校に上がった子ども達のラテラリティ(利きの優性)が決まらない場合も、その傾向が見られるかもしれません。

次にクロスト・ラテラリティよって、様々な行動に影響が出る場合の特徴について見ていきます。

  • 一定の作業をするときに、反射的な動きが少なくゆっくりと反応する。
  • 失読症、算数障害、発話障害、書字障害の子どもに利きの左右差が見られることがある。
  • 書くときに一部の文字や絵を反対に表現する。例えば数字や文字を鏡に映ったように書く。
  • 自尊心が低くなることもある。自分の間違いを気にする。
  • 概してイライラや過剰反応が見られ、抑制されたり絶望感を感じることもある。

クロスト・ラテラリティに関して

  • 利きの左右差がある場合、ゆっくり読んだり、何度も止まりながら読むこともある。文章のリズムがつかめず、どこを読んでいるか分からなくなる。
  • 読み書きや算数で遅れが見られることがある。
  • 集中力を持続するのが得意ではない。
  • わりと頻繁に混乱する傾向がある。
  • 落ち着かない、多動性があり、注意力が低下してしまうこともある。
  • やる気がなくなって、授業の課題に興味を失うこともある。
  • 時空間において自己統制することが難しくなる。そして左右で混乱したり、たし算やひき算で苦労してしまうこともある。
ラテラリティ 左利きの子供

クロスト・ラテラリティの場合にできること

多くの専門家は子どもの学習に悪影響が出ないようにするためにも、早期に対応することを勧めています。そこで利き手や利き目の左右差があることに気付いたら、ぜひ診断を受けてみてはいかがでしょうか。

専門家がラテラリティの種類を見極め、課題やタスクを紹介してくれるかもしれません。訓練によってはより良い神経生物学的な傾向を生み出す可能性もあります。

子どもについて何か気になる所がある場合は、医療専門家に相談することが重要です。子ども達の能力や学習と関係があるかどうかを見極めて、早期に対応できることがあればその指示に従ってみることも一つの方法です。


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