子どもの欠神発作について学ぼう

子どもの欠神発作について、なぜその兆候に気づくことが重要なのかも含め、必要なことを学んでおきましょう。
子どもの欠神発作について学ぼう

最後の更新: 08 1月, 2019

欠神発作(けっしんほっさ)とは神経疾患で、幼少期に発症し大人になるまでに消える傾向にあります。通常は深刻なものではありませんし、一般的には時間と共に治まります。

また、欠神発作はとても短い発作です。一般的に発作が起きると一瞬意識を失い、数秒で元に戻り、1分以上続くということは非常にまれです。

この発作の予後も無害で、子どもに長期的なリスクが残ることもありません。多くの場合、子どもの欠神発作は親も気付きにくいです。

しかし、その見分け方を知っておくことは大切です。そうすることで、もしもこのような発作が起こっても、親がパニックにならずに済むからです。

欠神発作という「小さな」病気

このような発作はフランス語で「小さな病気」という意味の「petit mal」としても知られています。この発作が気づかれないことが多く、一般的に身体に深刻なリスクをもたらすものでもないからです。

しかしこれはなぜ起こるのでしょうか?その理由はとても単純です。それは、子どもの脳内の神経伝達物質のバランスの崩れです。

これはつまり、少しの間ニューロンの間を異常な電気活性が飛び交うということです。欠神発作は、てんかんのある患者に起こる発作の一つです。

子どもの欠神発作の根源はまだ見つかっていませんが、遺伝的要因が働いていると考えられています。

欠伸発作

欠神発作かどうかを見分けるには

一日の中で、さまざまな欠神発作を発症する子どももいます。それが数週間、または数か月続くということもあります。

また、この症状は突然現れます。最も目につきやすいものは、ぼーっとしたり、気が散っていたり、眠そうにしたりしているときです。

空想にふけっているような、あるいは自分の思考に夢中になっているような印象を受けるかもしれません。

子どもは現実と切り離されているような、またはそこにいないかのような発作を起こすのです。

欠神発作かどうかを確かめるシンプルな方法は、子どもとコミュニケーションをとることです。子どもに話しかけたり、頭や肩を叩いたり、お菓子が欲しいか聞いてみたり、何を考えているのか聞いたりしてみましょう。

子どもが考え事にふけっているだけなら、意識を現実に戻すのを手伝ってあげます。

子どもが単にぼーっとしていただけなら、あなたの存在に反応するでしょう。促されれば、空想にふけっている間周りで起こっていたことを思い出すこともできるはずです。

しかし、お子さんが反応を示さなかったり、何が起こっていたか思い出せなかった場合、欠神発作を起こしていたかもしれません。

欠神発作の種類

  1. 典型的発作。これは一般的にてんかんの発作のタイプのために起こり、子どもが成長するにつれて消える傾向にあります。主な症状は、上で説明したように、突然現実と切り離されます。ときには、不随意のかすかな表情の動きがみられる場合もあります。発作がおさまると、子どもは何事もなかったかのように普通に戻ります。
  2. 非典型的発作。この発作は、てんかんや脳症などがある子どもに起こります。こういったタイプの発作に悩まされている子どもは、精神運動に問題があるかもしれません。典型的な欠神発作と同じように、主な症状は周りから切り離されてしまうことです。しかし、この場合はその始まりと終わりが急ではありません。発作は気づかれずに始まるかもしれません。この問題が診断される前は特にそうです。
  3. 複雑な発作。このタイプの発作の分かりやすい特徴は、独特な雰囲気があることです。これから始まる発作を警告する目に見えるサインや、その他の合図があるのです。発作は長く続き、1分以上続きます。発作の間、子どもは不思議な、そして繰り返しの動きを見せるかもしれません。
欠伸発作 の種類

診断

神経科医が、子どもの脳波(EEG)などを使った身体的検査を行い、診断を下します。

この検査で、適切な診断を下すことが可能になります。また、家族の中のてんかんの履歴などの要素も分析されます。

子どもの欠伸発作の治療

子どもの欠神発作を治療するには、多くの場合神経科医が特定のてんかんのための薬を処方します。比較的短い期間、とても少量の薬を服用することになるのが一般的です。

治療により必要な効果が得られたと判断されれば、薬を飲むのをやめることができます。

その他のさまざまな治療を経て、医者の監督の元、患者は徐々にこの薬の服用をやめられるはずです。こうすることで、体が薬なしで機能することに慣れることができるのです。

もちろん、健康的な生活習慣も医者が提供してくれる治療を補完するのには最適です。

つまり、ヘルシーでバランスの取れた食事と、体をたくさん使う健康的な活動を続けるということです。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Absence Epilepsy at the Hospital Nacional Cayetano Heredia (1998 – 2002). Rev Med Hered 15 (2), 2004 89.
  • Loiseau P. Childhood absence epilepsy. En: Roger J, et al, eds. Epileptic syndromes in infancy, childhood and adolescence. London: John Libby & Co 1992;132-150.
  • T. Durá Travé, ME. Yoldi Petri. Ausencias típicas: características epidemiológicas, clínicas y evolutivas. 64: (1), 2006, 1-110. DOI: 10.1016/S1695-4033(06)70005-4
  • A Covanis – Childhood Absence Epilepsy en “Atlas of Epilepsies” C. P. Panayiotopoulos (ed.) Springer-Verlag London 2010.
  • J Roger, M Bureau, Ch Dravet, P Genton, CA Tassinari, P Wolf – “Les syndromes epileptiques de l’enfant et de l’adolescent“. 4ème édition. John Libbey Eurotext, 2005.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。