空の巣症候群とは?

子どもが家を出るその瞬間は、両親にとって非常に辛いかもしれません。この問題は「空の巣症候群」と言われています。この記事で詳しく見ていきましょう。
空の巣症候群とは?
María Alejandra Castro Arbeláez

によって書かれ、確認されています。 心理学者 María Alejandra Castro Arbeláez.

最後の更新: 01 3月, 2019

母親と子どもは絆で繋がっています。しかし、何らかの理由で子どもが家を離れる時が来るでしょう。そんな時、空の巣症候群として広く知られる苦しみが襲うかもしれません。

子どもが家を出ると母親も父親も、肉体的・精神的な症状を覚えることがあります。このような症状は、自分たちの幼かった子どもがすでに大人になり、子ども自身の運命を求めて出て行ってしまうという、現実に直面しなければいけない悲しい感情が引き起こすものです。

空の巣症候群は一般的に女性に見られますが、男性も発症する可能性があります。さらに、この症候群は高齢者がひとりで暮らすことの多い西洋社会でより目立ちます。アジアやアフリカでは顕著に見られません。と言うのも、これらの地域では、高齢者が若い世代と同居して面倒を見てもらっているケースが多いからです。

空の巣症候群の症状

誰もが空の巣症候群を同じ様に同じ度合いで経験するわけではありません十人十色なので、それぞれ独自の方法で症候群を認識・解釈し、反応するのです。

また、空の巣症候群に苦しむ親たちが経験する感情の中には次のようなものが挙げられます。

悲しみ

こちらは理にかなっているので理解しやすい結果だと思います。もう2度と経験できない人生の一部が幕を閉じようとしているのです。なので、すでに過ぎ去った何年もの時に思いを馳せて、後悔や懐かしさを感じるのは全く当然のことですね。

孤独

具体的に想像して見ましょう。子どもが去った瞬間から、空き部屋ができて、テーブルの上のお皿が1枚減る、家に居たメンバーが1人減る、状況を理解していても孤独を感じてしまうでしょう。

こんな状態は、多くの親たちにとって壊滅的に映ることがあります。子どもたちから忘れられたり、もう実家に帰ってきてはくれないかも、とすら思ってしまう人もいます。

 

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罪悪感

空の巣症候群が起こる時、過去の対立に罪悪感を覚える人が多くいます。実際に、自分の子どもへの接し方が間違っていたから子どもが巣立つのかも、とすら思ってしまう人もいます。

うつ

子どもが去った後、あまりに気分が落ち込む場合専門家の助けを求めることをお勧めします。なぜなら、それがうつになってしまうキッカケかもしれないからです。もちろん、できるだけ早く対処するのが重要です。

その他の症状

上記の他にも、不安・退屈・不眠・無気力・イライラなどが表れるかもしれません。そんな時のベストな解決策は、日々のルーチンを徐々に変更して気を紛らし、否定的な考えを経つことです。

空の巣症候群の乗り越え方

この難しい期間を打開する基本的な最初のステップは、「子どもが家を出るからといって、なにも自分たちの人生から永遠にいなくなるわけではない」と理解することです。これは全ての人間が直面しなければいけない瞬間です。子どもが自分の道を進むために家を出るのは本能的なものなのです。

親は人生に訪れた変化を受け入れて、最善の方法で対処する努力をしないといけません。結局のところ、子どもの教育がひと段落ついたと示すサインでもあるのですから。

パートナーとの助け合い加え、大切なのは自分自身が夢中になれる活動をすることです。なので、同じ様な経験をしている人たちと交流し、自分がワクワクすることに焦点を合わせれば、今この状況を別の視点から見ることができるかもしれません。

準備が鍵

どの重要な出来事も、事前に準備して子どもの巣立ちに向き合いましょう。

しかし、準備とはどういう意味でしょう?子どもが成人する前の数年や、家を出るという話題が上り始めた時から、子どもに今までより自由を与えなければいけません。つまり、子どもの問題を全部解決してあげるのではなく、見守るということです。

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この自由を与えるということにあたり、2つの質問を投げかけましょう。まず、子どもが家を出るにあたりどれだけ子ども自身の準備ができているか。そして、家の外に待ち受ける困難に立ち向かえるか。その他にも、下記の様な行動が準備の役に立ちます。

  • パートナーとの健全な関係を保つ。離婚していたりシングルマザーの場合、社会生活を維持すること。
  • 段階的に移行すること。つまり、まずは週末だけで試して、段々と子どもと離れる期間を長くする。
  • 何か辛いことが起こっている時は、家を離れない。そんな時こそ家族が必要なのですから。

この状況をできるだけ冷静に過ごすには、子どもとの対話・理解・尊重がいつでも重要だということです。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。