子どもの集中力を高めるギロア法

最近スペインで話題になっている、子どもの集中力を高めるギロア法をご存知ですか?今回は簡単なようで難しい、線を描いたり迷路を解いたりする、この練習法をご紹介します。
子どもの集中力を高めるギロア法
María Alejandra Castro Arbeláez

によって書かれ、確認されています。 心理学者 María Alejandra Castro Arbeláez.

最後の更新: 12 11月, 2018

ギロア法は、線を描いたり、なぞったりする練習を積み重ねることによって、子どもの集中力を高める方法です。このギロア法を利用すると、空間認識が発達します。そして視覚的情報と手の動きの連動性を高めることができるのです。

この課題を、作業から目を離さずに、素早く完成させることができる子どもはたくさんいます。しかしもっと時間がかかる子どもは、作業中に気が散ってしまい集中できないのです。

ギロア法を利用すれば、子どもの集中力を高める練習になるかもしれません。またギロア法は、鏡に移るものを観察することで、子どもの集中力を上げる方法でもあります。

これには線を描いたり、なぞったりする練習課題が含まれます。時には、鏡に映るのと同じ方向に線を描くように指示されます。それから鏡に映るのとは反対の方向に線を描く作業もあります。

他にも、鏡から目を離さずに迷路を解くという課題もあります。この記事を読んで、この興味深く効果的な方法について学んでみましょう。

ギロア法とは何なのか?

この練習課題には、鏡を見ながら線を描き、線をなぞる作業があります。参加者は図形などを直接見るのではなく、鏡に映して、映った図を見ながら、描き写したり、なぞったりするのです。

子どもは左右対称になる形や、空間関係について、集中しなければなりません。さらに子どもは映される図形の細かい部分について、注意深く観察します。この練習作業を終えるには、子どもが鏡に映る像を、複写しなければいけないのです。隠れた形を見つけ出し、図を描いて、線を追ってなぞるのです。

集中力を高める ギロア法

ギロア法の効果

1.左右両方の大脳半球を使わなければ作業ができないので、子どもの大脳半球の刺激になります。

2.神経系と大脳とのつながりを向上させます。

3.線をなぞる技術は、子どもの視覚と手の動きとを組み合わせて、敏感に反応する力を付けます。

4.子どもは鏡に映る図形を観察して、それを紙に描き写しているので、一連の集中パターンが出来上がります。

5.ギロア法は観察する能力を伸ばします。

6.幅広く論理的思考を使うので、子どもの問題解決の能力が向上します。

7.何かを達成することで、子どもの自尊心が高まります。

8.作業に集中している間に、不安な気持ちを落ち着かせることができます。

9.注意力や集中力が高まります。

10.学校での成績も向上するでしょう。

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注意力と機能力は、左右それぞれの大脳を必要とする

何かに集中しようとする時、人は明らかに一つのことに注目するものです。その時大脳では左右両方の大脳半球が働いています。

脳の左半球では、論理的な分析や言語機能を司ると言われています。そして右半球では非言語的な空間や類似性のあるものを比較する役割があります。

このギロア法は、集中力を高め、両方の大脳半球との関連を促すように構成されています。それにより心配や不安な気持ちを和らげる効果があります。

さらに作業を完了するのに、両腕を交互に使うことで、精神的運動が刺激されます。

子どもの集中力を高める、その他の方法

ギロア法以外にも、子どもの集中力を高める方法があります。

  • タイルや透かし彫りの模様:これは細かい模様を観察して、四角形などの形の数を数えるゲームです。参加者はタイルの模様を描き写したり、鏡に映したように左右反対の模様を描く指示を出されます。
  • クロスワードパズル・言葉探し:子どもが集中するのに最適なゲームで、粘り強さや根気力が付きます。
  • ジグソーパズル・違いを当てる:これらは子どもにも大人にも楽しいゲームです。ジグソーパズルは子どもが解決法を探し当てると共に、演繹法推論の練習にもなります。2, 3種類の形を見比べながら、子どもは細かい所に注意するようになります。
  • ドミノ:昔ながら人気のある、このドミノゲームはたくさんの効果があります。同じ目を順番につなげていくので、子どもは作戦を練る練習ができます。
  • 神経衰弱:このゲームは名前の通り、子どもの記憶力を試します。そして集中力も高まります。このゲームは何種類ものやり方があります。カードを伏せておいて、順番にカードを表にして、戻す前に数値や位置を記憶します。または伏せたカードの中から2枚ずつ返して、ペアになるようにセットを探していきます。
  • 迷路:迷路をたどって逃げ道を探すのは簡単なようですが、ある時点まで行き着くと、そこから難しくなります。そこで根気強さをつける練習となります。迷路は子どもに演繹法推論を使わせる機会を与えます。
  • 曼荼羅の塗り絵:落ち着きのない子供に最適な遊びです。曼荼羅の塗り絵をするには、忍耐力、集中力、努力が必要です。絵画を利用して子どもの集中力を伸ばすのは賢い方法です。

ギロア法がお勧めの人とは?

この方法は、注意欠陥障害 (ADD) や注意欠陥多動性障害 (ADHD) と診断された子どもに、特に効果的でしょう。さらに脳疾患の後遺症がある患者にも、役立つと言われています。

しかし、ギロア法は単に集中力を高める必要がある人は誰にでもお勧めです。子どもでも大人でも、誰でもできる練習です。

ギロア法の訓練はゆっくりとするべきです。つまり鏡に映る図形をじっくりと考えます。それからよく注意して、思慮深く作業を行なうよう、子どもに指示しましょう。

子どもが指先や鉛筆で線をなぞるとき、作業そのものに集中している事でしょう。

子どもが学習するのに苦労していると確認されたら、すぐにこのギロア法を始めると良いでしょう。早い時点で子どもを刺激することで、それだけ早く結果が見られます。

お勧めの練習

一番よく知られるギロア法は、卓上の作業用紙の上にトレーシングペーパーを置き、目の前に鏡を設置します。作業用紙を見ないで、子どもは鏡に移って見える像を見ます。

作業参加者は色鉛筆を使って、作業用紙に見える図形の輪郭を移し描いていきます。透けて見える図形をよく見て、左手の人差し指で境界線をなぞっていきます。

右手は同じ図形を丸で囲み下線を引きます。もし子どもが左利きの場合は逆にして、図形をなぞるのを右手で、丸と下線は左手で行いましょう。


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