へその緒に秘められた命の秘密

へその緒に秘められた命の秘密

によって書かれた Zuleyvic Adriana Cuicas

最後の更新: 27 12月, 2022

命の奇跡は素晴らしいものであり、不思議なものです。様々な科学や技術をもってしても、人間の命の発達にまつわる秘密が未だに存在します。幹細胞が多く入った血液を含むへその緒の中には多くの秘密が含まれているのです。

妊娠中、約56cmの長さのコードがお母さんと子どもをつないでいます。これは赤ちゃんの腹壁から胎盤につながっています。その主な目的は胎盤から赤ちゃんに栄養と酸素を送ることと、赤ちゃんの不要なものを胎盤に戻すことです。

赤ちゃんが子宮の中にいるときは、へその緒は赤ちゃんの身体の一部で、へその緒の中には動脈が二つ通っています。一つは赤ちゃんが出す不要なものを取り出し、もう一つは赤ちゃんの身体に酸素を供給するためのものです。

へその緒は命でいっぱい

この長くて、多くの役割を担うコードは抗体も運びます。妊娠の終わりが近づくと、胎盤を通して、お母さんが一生かけて作ってきた抗体が赤ちゃんにへその緒から渡されます。

しかしそれだけではありません。へその緒の中の血には幹細胞がたくさん入っています。それは命を作るレンガとして知られている細胞で、 幹細胞は他の細胞を作りなおしたり、生み出したりすることができるのです。自身を切り分けたりコピーを作ったり、移動して新しい細胞を作ったり統合したりすることができるのです。

幹細胞は、身体の中のすべての臓器を作るのに必要な遺伝情報を持っています。へその緒にはそれが何百万と入っているのです。このコードは、赤ちゃんが生まれると記念に持って帰る親もいますが、命の秘密の大きな部分を持っているのです。

実際、へその緒の中の血液が、子どもの幹細胞の主な源となっています。これは骨髄の中にあるものと全く同じ細胞です。そして、子どもの命を脅かす病と闘うために欠かせません。

へその緒の中の血液は、白血病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫などの特定のがんと闘うことのできる何百という細胞を含んでいます。

この幹細胞は、再発不良性の貧血やファンコニー貧血などの特定の貧血、その他のハンター症候群、ループス、深刻な複合免疫不全などの病気を治す能力もあります。スペインの科学者は、これをがんの治療に使えないか研究しています。

へその緒の中の幹細胞の能力

へその緒を切ること

胎盤やへその緒の血液中の幹細胞は免疫的に未完成であるという不思議な特性があります。しかし、専門家は、これは受け取る人に拒絶反応を起こしにくいので、メリットであると説明しています。

へその緒からの細胞のそのほかのメリットは、赤ちゃんの細胞と互換性があるだけでなく、家族の他のメンバーとも互換性がある可能性が高いということです。

へその緒や胎盤から幹細胞を抜き出す過程は痛くありません。多くの国では、この細胞を補完し、のちに子どもや家族に健康上の問題が出たときに使うための方法があります。

へその緒が持つ素質に加え、イギリスの科学者は、へその緒を切るのを3分遅らせるだけで、赤ちゃんの健康状態がとても良くなるということを発見しています。

健康な新生児においては、へその緒を切るのを3分間遅らせると、鉄分の量が増え、鉄分不足による貧血を起こすリスクを避けられます。これはブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に掲載された研究の結果です。

合併症がない場合、へその緒を切るのを3分間遅らせることは、新生児のケアの基準の一つになるべきだと、BBCワールドニュースのプレスリリースで、オラ・アンダーソン医師とマグナス・ドメロフ医師が提案しています。

この研究と、へその緒の謎について明らかにしてきたすべての研究は、へその緒がどれだけ赤ちゃんの健康状態の改善に役立つか、また他の人間を助けることができるかについて示しているのです。


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  • Götherström, C., Westgren, M., Shaw, S. S., Åström, E., Biswas, A., Byers, P. H., … & Chan, J. K. (2014). Pre‐and postnatal transplantation of fetal mesenchymal stem cells in osteogenesis imperfecta: A two‐center experience. Stem cells translational medicine3(2), 255-264. https://stemcellsjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.5966/sctm.2013-0090
  • Andersson, O., Hellström-Westas, L., Andersson, D., & Domellöf, M. (2011). Effect of delayed versus early umbilical cord clamping on neonatal outcomes and iron status at 4 months: a randomised controlled trial. Bmj343. https://www.bmj.com/content/343/bmj.d7157

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